「コラボ・モンスターズ!!の魔」おまけトーク採録(その2) _ リポート | コラモン・ニュース
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「コラボ・モンスターズ!!の魔」おまけトーク採録(その2)


 〇『何かが空を飛んでいる』!

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(『恐怖』)


高橋:よく、あるジャンルの映画でエポックメイキングな作品が出る時ってあるじゃないですか。それは例えば『羊たちの沈黙』だとか『ロボコップ』だとかさ。ああいう大ヒットしたし、後々まで影響を与えるし、表現としても強い。そういうものが生まれた時になんか観客としても嬉しいし、作り手としても影響を受けるってあるじゃない。なんかああいうのが生まれた時に、これなんでこんなに面白いんだろうって考えると、僕なりの言い方では、ハイブリッド、混交ですよね。

 一番はっきりとそれをかんじたのは、もう昔の映画だけどラオール・ウォルシュの『白熱』っていう映画を見た時に、ギャングスター映画で、ギャングスター映画のフレームで立ち上げたんだけれども、ジェームズ・ギャグニー演じているギャングの親方が、マザコンで完全に狂っているっていう人だったの。狂っているやつを見つけちゃった時、ギャングスター映画のフレームをひとつぽんと越えたときにあれが生まれて、あれが決定的になっちゃうみたいなね。同じことは例えば『ダーティハリー』のサソリとかでも起きている気がするんですけどね。その後のサイコキラーと全然違うじゃないですか。西部のならず者みたいな人が都会にいるんだけれど、でもこの人は狂っているんだっていうさ。まだあの時代、サイコキラーをどう描いていいか分からないから、ああなっちゃったのかもしれないけど。ドン・シーゲルの意図を越えたようなものになったかもしれない。

そういうことが起きる時にジャンプが生まれて、決定的なものが現れるのかなーって。

 

古澤:そうですね。ぼくはもう、今日のミニコラボを見て、『キャロル』もそうですけど、高橋さんの『恐怖』よりも全然メジャー感があると僕は感じましたけどね。

 

高橋:(笑)よくね、"逆にやれば良かったんじゃないですか?"って言われますけどね。『恐怖』も2つの世界っていうか複数の世界がそのままあるって感覚を伝えたくて。

 

古澤:こういう流れが来ているので、そろそろ大きい映画で高橋さんのをまた見てみたいなって感じがしますね。

 

高橋:注文があるといいなー(笑)。

 

古澤:せっかくなんで、お客さんから質問とかありましたら。どなたかいらっしゃいますか?

 

客1:高橋さんが作品を作られている時に、自分の怖さを重視したいというようなことを仰っていたことを聞いて大変感銘を受けたんですけども、『血を吸う宇宙』なんかだと、非常に宇宙人の恐怖が追求されているんですが、あれなんかは書いていて窓の向こうに宇宙人がいるんじゃないか、とかあるいはドアを開けたら宇宙人がいた、というような瞬間はあったんでしょうか?

 

高橋:(笑)

始まる前に控え室で古谷さんたちと話してたんですけど、稲生平太郎さんってご存知ですか? 本名は横山茂雄さんという方なんですけど。

横山さん、稲生平太郎さんがUFOカルトの研究をされていて、まもなく『何かが空を飛んでいる』っていうこの分野の決定的な本が復刊されるんですけどね。

その横山茂雄さんとよく話をするんですけど、横山さんも、UFOとか宇宙人があるかないかっていうのは追求する気は全くない。でも、その現象が起きた地には足を運んでフィールドワークするんですよね。そうすると、聞いたこともないような、"光の巨人と山の中で会った"とか、そんな話をいっぱい拾ってくるんですって。そういう話があるから、だから"宇宙人はいるのだ、怖いのだ"ではなくて、そういう現象に立ち会ってしまう事自体に興味がある。スピリチュアリズムなんかも、横山さんは英文学の専門だから文献とか全部読んでいるんだけど、幽霊とかがあるかないか、だとか、あの世はあるかないかとかは何にも興味がなくて、そういうことを考えざるを得ない人間にすごい興味があるという...。

 僕の場合は幽霊にはリアルに怖さを感じるほうなんですけど、宇宙人には流石にね...あんまり感じたことはないんですけど。さっき少し話した暉峻(てるおか)さんはあるんですね。

 寝る時に、連れて行かれると思うらしいんです。布団の中に入る時にベッドメイキングをビシっとやって、折り目を全部入れて、その中にスポッと入って、絶対にこのまま体が浮かないように。迂闊に寝ていると体が浮いて空に連れていかれ、アブダクションされると思ってるらしい。いや、天井につっかえるから大丈夫じゃない?って言っても、「いや、そういうことじゃないんだ!」って。

 

客1:あ、ありがとうございます。

 

古澤:(笑)

今の感じでだいじょうぶでしょうか?

他の方いらっしゃいますでしょうか?

 

客2(島田元さん):宇宙人に関してはさすがに自分が信じるかどうかは別だというお話だったんですけど、昔、高橋君と話している最中に、窓のむこうにですね、光の点が動いているのを見てね。

 

高橋:光の手?

 

島田元さん:光の点が。ぐーっとこう動いてるのを見てですね、その時にたまたま私が"高橋君、あれUFOじゃない?"って言ったら、真っ青な顔をして"本当だ!"と言ったんですけれど...。

 

一同:()

 

高橋:あー、そっかそっか。家に宇宙人がいるとかっていうか、あんなグレイ系とかがぺたぺた歩いてるのとかは何のリアリティもないんですけど、思い出しました。空に何かが現れるんじゃないかっていう恐怖感は、子供の頃からずーっとあるから、それで花火とかも僕怖いんですよね。

それで島田さんに言われたときについに来たか!と思ったんじゃないですかね(笑)。

 

島田元さん:わかりました。

 

古澤:今日『炎の天使』で「ついに来た!」ってセリフがあるじゃないですか?

あれはちょっとニュアンスは違うんですか?

 

高橋:あれは自分が起こればいいと思っていたことが、ついに来たって言ってるんだよね。全部自分の都合で言っているっていう。

 

古澤:ああー、カルト集団って、災厄を予言して、かつそれがくることを待望しますよね。

 

高橋:そうです。予言実行部隊ですからね、あの人たちは。

 

古澤:他の方何かありますでしょうか?

 

客3:えーと、その、宇宙人好き系の時に言ってた、全部ひっくり返っちゃえばいいや願望みたいなのってあるんですか?

 

高橋:この世が?

 

客3:そうです。法則とか全部『恐怖』みたいなかんじでくるっと全部入れ替わっちゃえばみたいなのはあるんでしょうか?

 

高橋:ちょっとニュアンス的にそういう風に言ってしまうと、世の中を怨んでてさ、"みんなぶっ壊れればいいんだ!"みたいなことだと、そういうことは考えていないというか、あまり被害者の立場に立ちたくないっていうんでしょうか。

 

客3:あ、そういうのじゃなくて。その、今の決まった科学とかが、全く違う法則だったらおもしろいなっていうのは、あるんでしょうか?

 

高橋:ああ、でもオカルトとかってあれじゃないですか。まじめに研究してる人達ってきっとこの世を説明するもうひとつの別の体系を追求しているじゃないですか。さっきちょっと出たみたいに、あんまりそういうのをまじめに研究する気はないっていうのが、もうひとつの別の世界体系みたいなものは特に求めていないっていうか。説明できる何かが出てきちゃったら面白くないんでしょうね。きっとね。常に外側にある何かなんだろうなって、絶対にたどり着けない何かなんだろうなって感じ。

『恐怖』でいうと片平なぎさっていう人はその、絶対たどり着けない何かをむりやり、脳をいじくったら見えるんじゃないのって思った人、みたいなことですね。

 

客3:ありがとうございます。

 

古澤:ありがとうございました。えー、こんな感じで今後も「コラボ・モンスターズ!!」トークライブ続けていきますので、みなさん、どうかよろしくお願いします。(拍手)


2013年3月8日 アップリンク・ルームにて